“One”でホームオーディオを統一
小型で高音質なのに低価格な、コスパ抜群のifi audioの「ZEN」シリーズ。
ZEN One Signature?ZEN Air DAC?新シリーズ登場でZENシリーズは何を選ぶべき?の記事では「ZEN」シリーズの選び方や違いを解説しました。
今回はその中で、ZEN DACにSignatureクラスの回路強化でオーディオ性能を追求し、ZENblueのBluetooth機能やS/PDIF入力(光および同軸)を追加して誕生した
ZEN One Signatureをレビューしていきます。
高音質かつ入力が豊富なので、TVやPCなど様々なデジタル機器を接続でき、DSD256/PCM384/MQAフルデコード/Bluetoothハイレゾコーデックと初心者にもステップアップにも満足できるスペックを搭載していますのでおススメです。
\オーディオ専門店ならではの安心の高額買取!掘り出し物も見つかるかも!/ZEN One Signatureの特徴
入力豊富なD/Aコンバーター
ZEN One Signatureはホームハブと銘打った、純粋なD/Aコンバーターです。
純粋なというのは、ボリュームコントロールやヘッドホンアンプ機能を持たないD/Aコンバーターということです。
なので出力先に必ずヘッドホンアンプ、プリメインアンプ、アクティブスピーカーなどが必要になります。
主な使い方はこちら
- BluetoothでスマホやDAPと接続する
- PCとUSB接続しUSBDACとして使う
- S/PDIF入力(光および同軸)でテレビやゲーム機、レコーダー等とつなぐ
そして
- RCAケーブルでアンプやアクティブスピーカーへ送り出す
- 4.4mmフルバランス・ライン出力する
- S/PDIF同軸デジタル出力する
同じifi audio等の4.4mm to 4.4mm cableなどのバランスケーブルを使えば、高音質なまま4.4mmバランス入力のあるヘッドホンアンプなどに伝送可能です。
バランス接続はノイズに強く、外部の干渉を受けにくい
また他のZENDACシリーズにない機能が、S/PDIF同軸デジタル出力でいわゆる
D/Dコンバーター機能です。
USB入力をS/PDIF同軸に変換出力できるので
- USB入力を持たない手持ちのD/Aコンバーター
- USB入力を持たないDAC内蔵のプリメインアンプ
をZEN One Signatureを通してパソコンなどと接続することが可能になります。
意外とDAC内蔵のプリメインアンプで光と同軸入力はあるけどUSB入力はないというものはあります。特にリビングユースを考えているプリメインアンプなど。
次世代Bluetooth技術「HD Bluetooth」を搭載
ZEN One Signatureにはクアルコムの新しいQCC5100 Bluetooth ICを搭載することによって、Bluetoothの音質を向上させています。
aptX AdaptiveとaptX HD、SonyのLDAC、HWAのLHDCなどの高解像度コーデックにも対応し、aptX AdaptiveとaptX HDは24bit 48kHzまでを、LDACとLHDCは24bit 96kHzまでサポートしています。
Bluetooth対応コーデック | aptX, aptX HD, aptX Adaptive aptX LL, LDAC, LHDC/HWA AAC, SBC |
Apple Musicやamazon musicで再生
実際にApple musicからBluetooth再生してみる。
Apple musicの接続コーデックはAACで、ロスレス音源を再生しても「44.1kHz/16bit」に変換されて再生されます。
ifiのロゴの色 | フォーマット ( 有線 / 無線 ) | LEDランプの色 | サンプリング周波数(kHz) |
---|---|---|---|
白色 | PCM/HWA(LHDC) | 黄色 | PCM 44.1/48kHz |
シアン | DSD/LDAC | 白色 | PCM 88.2/96/176 /192/352/384kHz |
緑色 | MQA/aptX Adaptive | シアン | DSD 64/128 |
青色 | MQA Studio/aptX | 赤色 | DSD 256 |
マゼンタ | MQA レンダラー /aptX HD | ||
黄色 | AAC | ||
なし | SBC |
真ん中のifiの文字も、右側のLEDランプも緑色に見えますが、これは黄色表示です。(笑)じつは白色も薄い水色っぽい色です。ZENシリーズはどれもこの感じですね。
クアルコムの新しいQCC5100 Bluetooth ICのおかげで、Bluetooth再生は高音質です。
有線接続に比べれば音の分離やレンジの狭さは気になりますが、USB接続やネットワークプレーヤーでの再生比較しなければ、普通に聞く分には全然問題ありません。
また、YouTubeや映画再生においては遅延はほぼ気になりません。
音ゲーではやはり遅延は感じますので、そういう場合は有線接続しましょう。
MQAフルデコード対応
ZEN One SignatureはUSB, S/PDIF入力において、MQAのフルデコードに対応します。
数々の賞を受賞している英国の技術で、フルデコード機器ではMQAの認証 (Authentication) が行われ、コアに展開され、次いでDACの仕様に合わせコアデコード部分が展開され、 最高の音質が得られることになります。
総合音楽再生ソフトroonをTIDALで連携させてMQAファイルを再生すると、このように認証されフルデコードできていることがわかります。
青のifiロゴ、白色のLEDなので「MQA Studio PCM 96kHz」で再生されてるのがわかります。
MQAデータはCDやデジタル音源とありますが、ZEN One SignatureなどフルデコードDACと通常のCDプレーヤーをデジタル接続することで、MQA-CDプレーヤーじゃなくてもMQA-CDを完全に再生することができます。
MQA-CDプレーヤーは高額なので、MQAフルデコードDACを組み合わせて手持ちのCDプレーヤを高音質化できるのはいいですね。
MQAデータはe-onkyo musicでの販売や、TIDALでストリーミング再生することができます。
話題の高音質ストリーミングサービスのTIDALの評判ってどうなの?気になる契約方法や音質、設定はいかに?ではその設定方法を紹介しています。
生々しい音場を再現できますので是非体験してみましょう。
外観やスペック・他シリーズとの違い
実際に外観を見ていきましょう。正面には電源ボタンや入力切替、表示LED等が並んでいます。
ZEN One SignatureはZEN Signature V2と違い、音量ノブがありません。
こうして比べるとZEN One Signatureの質感はかなりいいですね
ZENDACは【レビュー】ifi audio ZENDAC 初心者にもオススメなハイレゾ対応のハイコスパDAC!の記事で詳しく紹介していますのでご覧ください。
重量は485gと軽いので、ボタン押すときにズレてしまうことも。
ZENシリーズ質感はよくできていて、決して安っぽくはありません。Signatureシリーズはマットな濃紺でZENDACはグレーなので外観も違いますね。
背面には入出力系統が並んでいます。左から
- 4.4mmバランス・固定ライン出力
- RCAシングルエンド出力
- 同軸デジタル入出力
- 光デジタル入力
- USB オーディオ入力
- アンテナ
- DC 5V電源入力端子
同軸デジタルは入出力を兼ねていて、セレクトスイッチで同軸にすると入力になりそれ以外だと出力になります。
スペックはこんな感じで、同じSignatureシリーズのSignature V2と違いは以下の通りです。
1万円高くて同軸デジタル出力、Bluetooth対応、PCM384kHzに対応したところです。
ZEN One Signature | ZEN DAC Signature V2 | |
---|---|---|
電源入力 | DC5V(iPower II 5V付属) | DC5V(iPower II 5V付属) |
デジタル入力 | USB-B3.0(USB2.0互換) S/PDIF(同軸/光角) Bluetooth5.1 | USB3.0B(USB2.0互換) |
対応フォーマット | PCM44.1kHz~384kHz DSD64~DSD256 MQAフルデコード対応 | PCM44.1~192kHz DSD64~DSD256 353/384KHz DXD MQAフルデコード対応 |
Bluetooth対応コーデック | aptX, aptX HD, aptX Adaptive aptX LL, LDAC, LHDC/HWA AAC, SBC | × |
チップセット | Bit-Perfect Burr Brown製 DACチップ Qualcomm QCC5100 Bluetoothチップセット | Bit-Perfect DSD & DXD DAC by Burr Brown |
出力 | S/PDIF同軸デジタル RCAシングル 4.4mmバランスライン | RCAシングル 4.4mmバランスライン |
ヘッドホン出力 | × | × |
サイズ (幅*奥行*高さ) | 158x100x35mm | 158×117×35mm |
重量 | 485g | 505g |
価格 | 49,500円(税込) ※2022年9月1日より 59,400円(税込) | 41,800円(税込) ※2022年9月1日より 49,500円(税込) |
付属品は
- アンテナ
- 取説
- RCAケーブル
- USBケーブル
- ACアダプタ(iPower II 5V )
USBケーブルやRCAケーブルは50cmで、隣同士でアンプに入力するのを想定した長さです。
ACアダプタは同じifi audioのiPower II 5Vが付属し、単体でも¥11,000しますのでかなりお得です。長さは2mありますので、電源タップには十分な長さ。
ZEN One Signatureの音質、組み合わせるアンプ
今回試聴に使ったのはこの二つです。
- dynaudio X14
- Nmode X-PW1
EXCITE X14は癖や色付けがなく、高いS/N比と情報量と質感、低域の躍動感を持ち、セッティングがアバウトでもスピーカーの存在が消えるスピーカーです。
nmodeの小型1bitパワーアンプ、X-PW1mk2は小型ながらハイスピードで切れの良さとパワー感はすごいです。
ZEN One Signatureは同じZENDACシリーズと比べると、元気さより上質に一段階解像度が増した感じです。特にボーカル曲を聴くとボーカルと楽器の分離がよくわかります。
ZEN One Signatureはコンパクトサイズなのでシンプルで小型サイズのアンプがオススメです。
このようにデスク上に置いても邪魔にならず、コンパクトに高音質なオーディオ空間を作れます。
【レビュー】Nmode X-PW1 10万円以下のオススメ1bitデジタルパワーアンプの音質は!?の記事で詳しく紹介しています。
予算が許せば上位機種のNmodeのX-PM3もオススメです。ハーフサイズとは思えぬパワー感はさらにパワーアップしていて、外部スーパークロック入力付きで6種類のサンプリングの選択が可能。
【レビュー】Nmode「X-PM3」ハイエンドにも負けない1bit小型プリメインアンプの音質は?で詳しく紹介しています。
またDENONのPMA900HNEのような、USB入力を持たないネットワークアンプの上質なDDCとしてもオススメです。
同じifi audioのネットワークトランスポート「ZEN STREAM」やSilent Angelの「M1T」と組み合わせれば、高音質にroonやAmazon musicを楽しめるコンパクトネットワークオーディオシステムを作り上げることも可能です。
【レビュー】ifi audio ZEN STREAMを使ってみた結果!音質や使い方、設定方法を紹介!で詳しく紹介しています。コンパクトさとコスパの良さは抜群で、ネットオーディオ入門に最適です。
【レビュー】Silent Angel M1T-4GB Amazon musicもRoonも高音質に使いたいならコレ!の記事ではAmazon musicを高音質に再生できるネットワークトランスポートを紹介しています。
10万円以下のネットワークトランスポートではこれ一択と言っても過言ではありません。
まとめ
ZEN One Signatureは、iFi audioが「ホームオーディオハブ」と呼ぶだけあってデスク上はもちろんリビングルームでも多彩な機器と接続できて、使い方が豊富なD/Aコンバーターです。
音量操作やヘッドホンアンプが必要なければ、ZENDACとZENblueを組み合わせるよりコスパよく多機能なZEN One Signatureをおススメします。
- Bluetooth機能
- MQAフルデコード
- 同軸や光の入出力、USB入力
- 4.4mmバランス出力
- PCM44.1kHz~384kHz
- DSD64~DSD256
またこれだけの機能を持ったD/Aコンバーターで、6万円ほどで収まっているのもコスパの良さを感じます。
純粋なD/Aコンバーターでこのスペックだと10万円を超えるものが多いです。
10万円は出せないけど、なるべく高スペックでいいD/Aコンバーターがほしい人には最適でしょう。
他のZENシリーズはZEN One Signature?ZEN Air DAC?新シリーズ登場でZENシリーズは何を選ぶべき?の記事で紹介しています。こちらもご覧ください。
オーディオ用D/Aコンバーター(DAC)おすすめ7選!選び方や種類も解説の記事では価格別のおすすめのD/Aコンバータを紹介していますのでご覧ください。
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