様々な音楽ストリーミングサービスが広がりを見せる中、ネットワークオーディオを始めようとネットワークプレヤーの
「 ifi audio ZEN STREAM 」に行き着く方も多いと思います。

この価格帯のネットワークプレイヤーの中で高音質の総合音楽再生ソフト「Roon」のRoonReadyに対応している商品はZEN STREAMしかない

でもストリーマーってホームページでは言ってるけど一体何ができるの?
そう、RoonやTIDAL、Spotifyを目的に理解して購入すれば問題ありませんが
コスパがよくサイズも小さいので高音質化のアクセサリー感覚で買いたくなる。
気持ちはわかりますが、まずはできることや、できないことを知ることが大事です。
この記事では使い方、設定をメインに紹介します。
ZEN STREAMの概要を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

またネットワークトランスポートなので別途DACが必要なのと、初期設定がちょっと特殊でディスプレイがないのですんなり音を出せない人もいるかと

正直同梱の説明書ではわかりずらいよね
そこで今回は実際に使用した使用感や
音質、使い方、設定方法を中心に紹介していきます。
この記事を読むことで迷わず設定できるようにお手伝いできればと思います。
- ZEN STREAMが気になるけど何ができるのかよくわからない
- 値段が安いけど音質がどうなのか気になる
- Amazon musicやapple musicは使えるの?
- 設定方法がよくわからない
- RoonやTIDALの設定方法が知りたい
他のRoonReady対応ネットワークプレイヤーが知りたいって方はこちらの記事からどうぞ


外観やスペック
少し最初に外観を見ていきましょう。
外観は同シリーズZEN DACやZEN buleと
全く同じ外観でサイズも一緒です




機能的にかぶってくるBluetoothレシーバーのZEN blueは使用頻度が減ってしまう
スペックはこのようになっています。
対応フォーマットは上位の価格帯の
SOtM sMS-200 Neoなんかは
DSD 11.2MHz、PCM 768KHz 32bit対応に
なってたりしますが必要性を感じなければ十分でしょう。
入力電圧 | DC 9V/1.8A-15V/0.8A |
入力 | Wi-Fi / LAN/ USB-HDD |
対応フォーマット | PCM384kHz/32bit, DSD256 |
出力 | USB3.0-Aポートx2 S/PDIF同軸RCA |
消費電力 | 無信号 ~6W 最大 ~10W |
サイズ | 158 x 100 x 35mm |
本体重量 | 578g |
背面は入出力端子が並んでいます、入力は
WifiとLANのみです

RoonやTIDAL、Spotify以外だとandroidスマホなんかはchromeキャストを使う
出力はUSBとSPDIF同軸となっていてUSBは歪み除去「Active Noise Cancellation II」をSPDIFは信号浄化テクノロジー「iPurifier」を搭載しています。

USB端子は端子同士が狭く、USBケーブルで幅が大きいものは干渉し刺さりません

左のモードダイヤルから「Exclusive(排他)」モードを選ぶことができます

同梱される付属品
同梱の付属品は以下のようになっています。

- LANケーブル
- Wi-Fiアンテナ
- モードセレクタピン
- ACアダプタ
- 取説
LANケーブルは短いのであまり使用機会はなさそう。どちらかというとUSBケーブルかSPDIFケーブルを同梱してほしかった。

ACアダプタはifi audioの
高音質タイプがあるので
交換すれば音の厚みが増します
電源に関してはこちらの記事をご覧ください。
ZEN STREAMって何?何ができるの?

まず大前提としてZEN STREAMは
「ネットワークトランスポート」です
ネットワーク上の信号を音楽信号に変換しD/Aコンバーターにデジタルデータのまま伝送する機器のことです
必ずその先にD/Aコンバーターが
必要になります。

その分DACやNASで音質の向上が
できるのが特徴です
下記はSpotify ConnectやTIDAL Connectの場合の構成図です。この上でスマホやタブレットでアプリを入れて操作します。

DACもアンプもご自分のシステムがすでにあるのであればZEN STREAMを追加すれば、ネットワークオーディオシステムにできるということ

もちろんピュアオーディオとして十分使える音質を持っています
またroonを使用する目的で当然検討している人もいると思います。その場合はこのような構成ですね

これをもう少し具体化するとこんな感じです。

roonを詳しく知りたい方はこちらからどうぞ
そして何ができるかを簡単に言うと
- USB接続されたHDD等のストレージの音楽再生
- 同一ネットワークに接続されたNASの音楽再生
- Tidal、Roon、qobuz、Spotify 等のストリーミング再生
- airplayを使った音楽再生
ここら辺が自分の使用用途にあってれば間違いなく買って損はしない

amazon musicやapple musicは対応してる?メリットとデメリットは?
利用者が多いAmazon musicやapple musicに対応してるかはかなり気になるところかと思います。結論から言うと「対応していません」
ですがこれはDENONやMarantzのようにHEOSアプリを使った直接ストリーミングができないという事。

聞くにはairplayやchromecastを
使用するしかないが正直お勧めしない
やはりairplay等は44.1kHz/16bit(CD同等)
までで音質もよくない。せっかくのZEN STREAMの能力を生かしきれないと思います。
airplayでapple musicを聴きましたが明らかに情報量が減りレンジも狭くなります。
個人的にはBGMや作業用に聞き流す程度ならいけど、好きな音楽に浸るならTIDALを連携させたRoon再生が圧倒的におススメです

amazon musicなどがメインならSilent AngelのM1T-4GBをおススメします。少し値段は上がりますが、Amazon musicもroonreadyにも対応しています。
別記事で紹介していますので、ご覧ください。
メリットは?:TIDALでのMQAのストリーミング再生可能!RoonReady対応!
- MQAのストリーミングサービスがあるTIDAL connectに対応
- RoonReadyに対応している
- Wi-Fiに対応している
- サイズが小さい
- ピュアオーディオシステムに入れても問題ない高音質
やはり最大のメリットは5万円以下でRoonReadyに対応していること。他のネットワークプレイヤーやトランスポートは安くても8~10万円くらいする。

とりあえずroonを体験してみたい
人にはちょうどいいよね
TIDALconnectにも対応しているので
MQAのストリーミング再生も可能。
MQAは空気感が段違いの音質です。

何気にWi-Fiに対応してるのは
うれいしいよね

これより上位機種はほとんど
Wi-Fiは未対応で有線のみになる。
音質のためなのは分かるけど
部屋のレイアウトでどうしようも
ないこともあるのでやはりWi-Fi対応は正直助かる
- 取説がわかりずらいく説明が不親切
- 設定がやや難しく音を出せない可能性もある
- 電源のOFFが普通にできない
- ディスプレイがない
- USB端子の間隔が狭い
- Amazon musicはairplayでしか聞けない
デメリットはやはり少し設定が難しいこと。
パソコンに慣れてる人は全然問題ないですが、
苦手な人はなかなか音を出せない可能性があります。

取説が不親切で分かりにくいのは
まぁいつもの事でもあるよね
公式ホームページで日本語の
取説を見た方がいいかも

電源OFFは長押しとか
どこにも書いてないしね(笑)
初期不良なのかと思った
また排他モードセレクターは便利な反面、RoonやTIDALからAirplayなどサービスを変えるときが本体にさわりにいかないといけないのがめんどくさい。

背面なのでPCオーディオでも少々めんどい。ここら辺は値段が安い分しかたがない 。
これは操作アプリなどがないためで、同じネットワークトランスポートsilent angel M1Tなどはアプリでサービスを切り替えれるので大変便利。
amazon musicやTIDAL・Roonを切り替えて使うなら、Silent Angel M1T-4GBがいいかもしれません。
【レビュー】Silent Angel M1T-4GB Amazon musicもRoonも高音質に使いたいならコレ!の記事で詳しく紹介しています。
音質はDACの性能で結構変わる
ネットワークトランスポートなのでDACが必ず
必要なのですが、そのDACによって音質は向上します。
試聴環境の音質の良かった順番は
- ZEN STREAM→nmode X-DU1→nmode X-PM3
- ZEN STREAM→サウンドウォーリアSWD-DA20→nmode X-PM3
- ZEN STREAM→ZENDAC→nmode X-PM3

MQAはフルデコードよりも
DACそのものの性能の方が
当然ながら大事のようです
ネットワークや本体の設定をしていこう
それではZEN STREAMをネットワークに接続する設定を紹介していきます。

設定自体はスマホやタブレットでも
できます。とりあえずパソコンとして進行します。

ZEN STREAMをWi-Fiで接続する手順
- ダイヤルのモードは①のAIOにする
- 電源ボタンを押し起動、赤いランプが点灯
- WPSボタンを2秒長押し、点滅し待機状態になる
- パソコンのWi-Fi設定で「iFi-Streamer」と接続する
- ブラウザで「http://ifi.local」か「192.168.211.1」を入力
- setting→network settingを選び自身のWi-Fiルーターと接続
- ネットワークステータスLEDが点灯
- パソコンを自身のWi-Fiルーターに接続しなおす
- それぞれのストリーミングサービス画面で「iFi-Streamer」と接続
とりあえずこれでZEN STREAMは
ネットワークにつながります。それでは画像付きで詳しく紹介します。
電源を入れるとインジケーターが白く点灯し、ネットワークステータスLEDは赤が点灯。

一番右端のLED/WPSボタンを2秒長押しします。すると白色LEDが点滅し、待機状態になります。

現在ネットにつながっているのならば切断し、
パソコンのWi-Fi設定で「iFi-Streamer」と接続します。

ブラウザで「http://ifi.local」か「192.168.211.1」を入力します

ブラウザは何でもいいですよ

すると下記のようiFiの設定画面に移動します。
setting→network settingを選び自身の
Wi-Fiルーターと接続します。

するとこのようなメッセージが出て設定完了となります。

これで設定画面を触るのは終了です。
画面を閉じて自身のパソコンのWi-Fi設定画面でネットワークに接続しましょう。
接続に成功すると下記のように
ネットワークステータスLEDが点灯します。
色はネットワーク強度とステータスを表しています。

LED | 帯域幅 | |
インターネット | 白 | 高速 |
インターネット | シアン | 低速 |
ローカルネットワーク | 緑 | 高速 |
(インターネット接続なし) | 黄 | 低速 |
ネットワーク未接続 | 赤 | _ |
ちなみに右の緑色は
オーディオフォーマットLED(kHz)で、LEDの色は音楽データから読み取ったオーディオフォーマットとサンプリングレートを示しています。

ファームウェアは最新はver2.31.7となっています。アップデートでLED色が大きく変わりましたので注意しましょう
ver2.31.7以前 | ver2.31.7~最新 | |
---|---|---|
黄 | PCM 176.4/192/352.8/384kHz | PCM 44.1/48kHz |
緑 | PCM 44.1/48/88.2/96kHz | MQA |
白 | ー | PCM 88/96/176.4/192/352.8/384kHz |
シアン | DSD 64/128 | DSD 64/128 |
マゼンタ | ー | MQB(MQAレンダラー) |
青 | DSD 256 | MQA Studio |
赤 | ー | DSD 256 |
OFF | 信号なし |
ZEN STREAMを有線LANで接続する手順
- ダイヤルのモードは①のAIOにする
- 電源ボタンを押し起動、白いランプが点灯
- ブラウザで「http://ifi.local」を入力
- setting→network statusをwiredで接続になってたら完了

有線の場合はとても単純だね
設定画面の日本語化
とりあえず設定画面は英語なのでそのままでも
いい人はそのままで設定しましょう。
後々のために日本語化したい方はまずは日本語に設定しましょう。
- 有線LANかWi-Fiで「iFi-Streamer」と接続する
- ブラウザで「http://ifi.local」か「192.168.211.1」を入力
- setting→appearance→select language
- タブをクリックし日本語を選択し「save」をクリック
有線LANかWi-Fiで「iFi-Streamer」と
接続し、ブラウザで「http://ifi.local」か
「192.168.211.1」を入力

「setting」から「appearance」をクリック

「language」 から右の▽のタブをクリック、
日本語選択、選択したら「save」をクリックしましょう。これで日本語化が完了です。



後でやるのは大変なので最初に全部
設定することをおススメします


より高音質にするために
無線接続でも十分高音質ですが比べるとやはり
有線接続の方が結構音質アップになりますので
Wi-Fi機能をOFFにしましょう。
- 有線LANかWi-Fiで「iFi-Streamer」と接続する
- ブラウザで「http://ifi.local」か「192.168.211.1」を入力
- setting→network
- 下にスクロールすると無線LANがあるのでOFFをクリック
- 「save」をクリック

またAmazonmusicやTIDALなどのストリーミング再生が主であれば、ハブを変えることでノイズが減りより高音質を目指せます。別記事で紹介していますのでご覧ください。
排他モードセレクターの罠

ZEN STREAMには排他モードセレクターというのがあり、特定の使用モードに的を絞ることによって最適化されたパフォーマンスを得ることができる機能です。
- All In One(AIO)
- すべてのプラットフォーム、フォーマット、機器
- 特定しないときはこれ
- Roon
- Roonの環境と統合する時
- TIDAL
- TIDALのMastersプランを使用する時に選択
- NAA
- HQ PlayerソフトとともにHQ Player NAA(Network Audio Adapter)使用時に選択
- DLNA
- DLNA対応アプリと機器と使用する時に選択

自分の使うアプリを選択することで
最適化されベストな状態で音楽を
聞けるって事だよね?

普通に考えたらそうなんだけど
個人的には違うようにとらえます
最適化はもちろんだけど、どちらかというと
「最適化のため不必要な機能を制限する機能」です。
ようするにモードによってはできなくなる機能があるということ、具体的に遭遇したのはこんな事。
- RoonやTIDALモードはAirplayはつながらない
- AirplayはAIOモードで接続
- RoonやTIDALモードでは設定画面に行けなくなる
- 設定はAIOモードで行う
他にもあると思うので、迷ったときはAIOモードにしておけば解消すると思います。

まぁサポートの事考えたら機能制限
した方がパソコンの設定を電話口で
言わなくていいからこうなったのかな
Roonでの設定
ZEN STREAMを購入する人の多くは
Roon接続を目的とした人が多いと思いますので簡単に紹介していきます。
とりあえずは出力の設定だけです。
まずはRoonを起動し左上クリックする。

下にスクロールして設定をクリック

オーディオを選択します。
左側はUSB出力する場合に有効にし
SPDIF同軸出力の場合は右側を有効にします

他のD/Aコンバーターを接続すると
この部分が変化していきます。

あとは下のスピーカーのマークから
DACを選択すればOKです。

再生するとこのように表示されます。
選択されたDACが等が一番上に表示され
ifiのところに(Roon Advanced Audio Transport)RAATと表記が出てきます。

Roonのオーディオ配信テクノロジーの事でRoonReadyに対応してるハードとして再生するよってこと。音がいいairplayというイメージがわかりやすいかと

ちなみにZEN STREAMを使用しないで
PCでroonを起動てZEN DAC→スピーカーという構成だと下記のような表記になる


RAATってところがifiから
このPCに変わってるね

そう、ネットワーク上の信号を音楽信号に変換しDACへ転送する役割がネットークトランスポートであるZEN STREAMからPCに代わってるって事
TIDALでの設定
高音質であるMQAのストリーミングサービスをもつTIDAL。こちらはいたって簡単です。右下のスピーカーみたいなマークをクリック

「ifi’s Streamer」と表示されるのでクリックします

するとこのように変わり接続完了です

まとめ
いかがでしたか?少々設定や使用に癖があるので、使い方や設定に困るかと思いますが
慣れてしまえばこの価格帯でこの機能は唯一無二の商品だと思います。是非ZEN STREAMでroonサービスを体験してみてください。
※2022年9月1日より66,000円(税込)に値上げされます。この機会にネットワークオーディオを体験してみてはいかがでしょうか?
- ZEN STREAMはRoonReadyに対応したコスパ最強のネットワークトランスポート
- 別途必ずD/Aコンバーターが必要
- Wi-Fi接続でもPCM384kHz/32bit, DSD256まで対応
- 接続するDACの能力により音質向上が結構得られる
- Amazon musicには対応していない
- どうしても聞くならAirplayのみ、音は良くない
- 排他モードセレクターは最適化のため機能制限するから注意
- 困ったときはAIOモードに
- ZEN STREAMはピュアオーディオにも十分組み込める高音質
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コメント
初めまして
丁寧な説明すごく役に立ちます。
zen streamを導入したのですが
Tidalでストリーミングで聴いているのですがオーディオフォーマットのLEDの色が何を聴いても緑から変わりません、どうすれば良いのか教えて頂けるとありがたいのですが、よろしくお願いします。
こんにちは。コメントありがとうございます。私は基本はRoon接続で聴いているので何とも言えませんが、Roon再生であってもLEDが変わらないと感じることはありました。
TIDAL利用時は瞬断などの不具合が私もありましたので、まずはファームウェアアップデートを確認してみてはいかがでしょうか?アップデートで色の表示が変わっています。最新のファームウェアv2.31.7以降はMQAファイルだと緑にしかならないのでTIDALでMQAメインであれば余計にそう感じるかもしれません。あまり参考になるかわかりませんがよろしくお願いします。
緑 PCM 44.1/48/88.2/96kHz
黄 PCM 176.4/192/352.8/384kHz
シアン DSD 64/128
青 DSD 256
OFF 信号なし
4. Wi-Fi ステータスLED
LED ステータス
点滅状態 オン・Wi-Fi 接続待ち
点灯 Wi-Fi 接続済み
OFF Wi-Fi 未接続
*60秒間操作が行われなかった場合、自動的にオフになります。
5. LED/WPSボタン
– LED ON/OFF (短押し)
– WPS ON/OFF (長押し)
LED モード
黄
※ファームウェア v2.31.7~
PCM 44.1/48kHz
白 PCM 88/96/176.4/192/352.8/384kHz
シアン DSD 64/128
赤 DSD 256
緑 MQA
青 MQA Studio
マゼンタ MQB(MQAレンダラー)
OFF 信号なし
早速のご返信ありがとうございます。
zen dac signaterに繋いでいるのですがそちらの方はvolumeツマミのところはマゼンタになっています。
色々とやってみたいと思います。
ご丁寧な説明ほんとうにありがとうございます。