手軽に下記のような高音質なストリーミング再生が体験できるサービスが増え、CDを音源とするよりデータ再生が多くなってきた人も多いと思います。
- Amazon Music Unlimited
- Apple music
- TIDAL
- qobuz
各社それぞれ、空間オーディオやDolby Atmos、360 Reality Audioなど没入型のサラウンドフォーマットにも対応し、ハイレゾと言われる96kHz/24bitなどのCDの情報量以上のロスレス音源を聞くことができます。
そんな中、データ再生のネットワークオーディオ、というジャンルの中で最も注目されているのが「TIDAL」
- MQAを唯一ストリーミング再生できる
- TIDAL connectによるシームレスな再生
- 9000万曲と45万本の動画を扱う
- 最大9,216kbpsの高いビットレート(24bit/192khz)
でも特殊すぎる契約方法のせいでなかなか踏み出せない…、なんせTIDALは2024年4月現在、日本ではサービスを提供してない為、普通にはアカウントが作れない。
公式サイトが日本語に対応するなど、前々から日本に上陸するとは言われている
じゃあどうしたらできるの!?
この記事では日本でもアカウント契約できる方法や、気になる音質使い勝手を紹介していきます。これであなたも音楽の大海に飛び込みましょう!
TIDALとは?
2014年にノルウェーの企業Aspiroによって立ち上げられた、サブスクリプションベースの音楽、ポッドキャスト、ビデオストリーミングサービスです。特徴は
- 1億1000万以上の曲と45万本の動画を扱う(広告なし)
- MQAを唯一ストリーミング再生できる
- Dolby Atmos、360 Reality Audioに対応
- TIDAL ORIGINALというアーティストへのインタビューやドキュメント動画、イベント公開
- ダウンロード、オフライン再生可能
- TIDALConnectで複数デバイス間でシームレスな再生
アーティストへの直接報酬プログラムを利用でき、サブスクリプション月額料金の最大10%をトップストリームアーティストに割り当てるという面白い試みもあります。
まさに音楽ファンに向けたサービスですね。
アイドルなど、好きなアーティストを応援する気持ちがわかります。
またTIDAL RIGINGという、ブレイク間近の新進気鋭のアーティストを紹介したプレイリストやドキュメントビデオなども見ることができる一風変わったサービスもあります。
基本的にはTIDALは海外のサービスなので海外アーティストが多く、洋楽好きな人におすすめです。
しかし日本人アーティストの曲もTIDAL Masterというマスタリングスタジオでのサウンドと同じくらい解像度の、認証済みの音源も配信されていますので邦楽好きな方も楽しめます。
歌詞表示機能もちゃんと日本語で表示されます。
TIDALの料金プラン
TIDALは2024年4月10日より、2つあった
プランを一本化し下記のフォーマットの
ストリーミングサービスを19.99$から10.99$へ大幅値下げになりました。引き続き30日間の無料体験はあります。
- 最大24-bit/192 kHz
- FLAC
- Dolby Atmos
- Sony 360 Reality Audio
- MQA
これによりプランによる音質・機能の差はなくなりました。これを個人プランや家族、学生で分けています。違いは接続数と金額程度で、他は拡張機能でDJ Extensionというのがあります。
individual(個人) | Family(家族) | Student(学生) | DJ Extension | |
---|---|---|---|---|
金額(アメリカ) | $10.99 米ドル (1692円) | $16.99 米ドル (2463円) | $4.99 米ドル (723円) | $9 米ドル (1305円) |
個別アカウント | 1人 | 6人 | 1人 | – |
クリーンな 子供向けコンテンツ | × | 〇 | × | – |
月額金額は契約した国によって結構違います。私は初めはカナダで契約し、現在はブラジルで契約しています。
不安ならばまずは30日間の無料体験をし、試用期間延長でよく考えるのもありですね。
individual(個人) | Family(家族) | Student(学生) | DJ Extension | |
---|---|---|---|---|
アメリカ | $10.99/月 (1692円) | $16.99/月 (2463円) | $4.99/月 (723円) | $9米/月 (1305円) |
カナダ | C$10.99/月 (1232円) | C$16.99/月 (1906円) | $4.99/月 (599円) | $9米/月 (1009円) |
ブラジル | R$21.90/月 (659円) | R$34.90/月 (1050円) | R$8.45/月 (252円) | R$11.90/月 (358円) |
ブラジルだと料金が全然違い、DJ Extensionを付けても合計1017円になりますます。試用期間の追加は60日で約90円と激安。
ブラジルへの契約変更のやり方はこちらの記事で詳しく解説しています。
通常の価格だと他のストリーミングサービスよりは高めですが、TIDALはもとより万人受けではなく、より音楽の世界に足を踏み入れたい、ネットワークオーディオをより高音質で楽しみたい人向けです。そういう意味では適正価格なのかもしれません。
特に再生ソフトroonを使ったMQAの高音質再生は、他社のストリーミング再生とは一線を画す良さです。
TIDALを日本からアカウントを作る方法
まずはアカウントを作成しないと当然サービスは受けられないのですが、TIDALは現在日本でのサービスを提供していません(2024年4月現在)なのでVPNサービスを使いTIDALアカウントを作成します。
これによりIPアドレス(国)によって制限が掛けられている海外のサイトなどに、アクセスができます。VPNサービスを使えば暗号化、非表示になることで公衆Wi-Fiなども安全に利用することができます。
TunnelbearやNordVPNなどのサービスが有名ですね。
Tunnelbearは英語表記しかなく、接続が低速で不安定なのが難点ですが。でもユーザー500万人以上と多く、無料プランでも最低限の利用はでき、自動更新契約ではないのでTIDAL使われてる方も多いと思います。
無料で海外のプランだとなんか怖いな~ちょっと不安
そんな方は、より高速で日本公式サイトもあるNordVPNがおすすめです。月額460円で30日間の返金保証もあるので、こちらを利用するのもおすすめです。
TunnelBearで疑似的に海外のIPアドレスからTIDALにアクセス
詳しく手順を追っていきましょう
まずはTunnelBearの公式サイトに飛びましょう
そしてGet TunnelBearをクリック
プランを選択する画面に代わります。とりあえず一時的なのでFreeプランで十分「Try for free」をクリックします
そしたら画面が切り替わり、自動的にダウンロードが開始します。「I Agree」が同意するという意味です
完了したらインストールをしていきます。右下のinstallをクリックしましょう
メールアドレスとパスワードを入力し「create」をクリックしアカウントを作成
画面が切り替わるので、そのまま右下のNextをクリック
赤枠をクリックし、任意の国のIPアドレスを取得します。仮に「カナダ」を選択し、左のアイコンをONにします
するとクマが潜っていき、カナダのIPアドレスで接続します。成功すると右下に[connected]のアイコンが出ます。この状態でTIDALの公式サイトに行きアカウントを作成します
契約が終えたら右上のONボタンをクリックしOFFにします。「Disconnected」と右下に出ればOK
ちなみにフリープランは無料で自動更新しないので解約は不必要、というか有料プランじゃない限り解約の項目はでてきません。とりあえず必要なければ、アンインストールしましょう。
TIDALアカウント作成
今回はカナダで説明します
それではTunnelBearで「カナダ」に接続している状態で、公式サイトでアカウントを作っていきましょう
公式サイトへ行き、右上の「無料トライアルを始める」をクリック
メールアドレスを入力し、「続ける」をクリックする
自分のメールアドレスを入力し、パスワードを決めて入力します。2段目のパスワードはコピペでOK。チェックボックスをクリックし「サインアップ」をクリック
プランを選びをクリックし「続く」をクリック。今回は個人プランを選びました。試用期間を伸ばすときは延長するをチェックし進みましょう。
値段は為替レートで変動しますが、カナダだと月/1200円くらいです。30日間の無料期間がありますので無料期間中に解約すればお金はかかりません。
契約国ごとで再生可能なアーティストがあるようですが、あまり気にしなくても大丈夫なので無料期間を最大限活用しよう
TIDALの契約はクレジットカードかペイパルでの決済になります。
ちなみにカナダだと郵便番号を求められますが、実在するものを入力すればクレジットでの直接契約可能です。「A0A 0A6」とかで通ります。デビットカードはエラーになりましたので、マスターカードで契約しました。
継続しないのであれば無料期間が終わる前に忘れずに解約しましょう
画面が切り替わるのでアプリをダウンロードしましょう。これでアカウント作成完了です。
次回のアプリの立ち上げにはTunnelBearは必要ありません、通常のインターネット回線で問題ないです
TIDAL解約方法
試しに無料プランで使ってみて、合わなかったら解約しましょう。自動更新になるので注意です。
公式サイトに行き、上部の「ログイン」からログインします。
TIDALのアプリからでも同じページに飛ばされます。
サブスクリプションタブから「あなたのサブスクリプション」をクリック。
「サブスクリプションをキャンセルする」をクリック。三回キャンセルをクリックすると解約です。
解約ですぐに機能停止ではなく、無料期間中はすべての機能が使えます。
アカウントは残りアカウント削除はできない仕様なので、解約し再度同じアドレスで無料トライアルはできません。
TIDALでMQAを聴くための設定、機器
TIDALと言えば最大の目玉は、TIDAL Mastersという96kHz/24bit等でのストリーミング配信。これを聴くためにMQAに対応した機器が必要になります。
オススメは一度にフルデコードに対応した機器です。手軽にPCオーディオでMQAを体験するには「ifi audio zen dac」がコスパよくおススメ
今回はパソコンで説明します。まずTIDALアプリを立ち上げログインします
パソコンにUSBケーブルでZENDACを接続します。するとこのように出力設定するか出てくるので「Yes,set as output」をクリックする
右下のスピーカーマークをクリックすると、このように認識されているのがわかります。さらに「more settings」をクリックすると詳細設定できます
- 排他モードのON、OFF
- HifiとMaster音源のみに効果がある
- フォースボリューム
- ボリュームを最大レベルに保ち、外部デバイスの出力を制御します。
- パススルーMQA
- MQAのソフトウェアデコードを無効にします。
- フルデコードできるDACに接続の時はON
レンダラータイプのUSBDACとかの場合は、ONじゃないとMQAデータが認識しないかもしれません
ZENDACだとフルデコードできるので、これらは全部OFFでもMQAデータを認識できます
次に値段が高いけれどおススメなのが
「Bluesound NODE 2i」
高音質コーデックMQAストリーミングのフルデコードに対応しています。VAULT 2iは、ハイレゾCDである、MQA-CDのリッピング/フルデコード再生が可能です。
これのいい所はネットワークプレーヤーであることで、先ほどのPC+USBDACの組み合わせが必要なくNODE 2i単体でMQAストリーミング再生が能なこと
BluOS コントロールアプリをスマホ等に入れることで手軽に再生可能
TIDALのメリットデメリット
これはTIDALは万人受けではない、とお話しした通り向いているひと向かない人がはっきり分かれると思います。音質どこまで追い求めるかということや、音楽を深堀する探求心もあるが根本的に取り扱う音源の種類が全然ちがうから。
洋楽8割、邦楽2割というような聴き方をする人には向いてるかもですね。ただアーティストのクレジットを深く知ることができるのは面白い
こんな感じで「いいピアノだな、他にどんな曲に携わってるのかな」みたいなことが、ワンクリックで検索できる。
圧倒的にめんどくさいのは日本語非対応の画面。何となくわかるけど毎回これを使うのはしんどい
邦楽も一応ちゃんとあるので探そうと右の検索窓から検索できるのだけど、日本語に非対応だからか邦楽アーテイストを日本語検索すると意味わからない検索をするもはやバグっているのか( ^ω^)・・・
こんな感じで正直使いもにならない検索機能、発売日などの年代もバラバラで整理されていないというと「宇多田ヒカル」ではだめで「utada」でてきたり「あいみょん」ではなく「aimyon」と入れなくては出てこなかったり、超絶めんどくさいうえに整理されていない。TIDALでは邦楽聴くのには向いていない
UIは洋楽だけに絞っても正直よくできてるかというとそうでもない、まあ普通
TIDALをより使いやすくする為に
前述したようにTIDALはUIや邦楽に関しての検索機能などは正直使いずらい、これを大きく解消できるのが総合音楽再生ソフトRoonだ
このようにRoonと連携することによりUIもスッキリし、検索機能や情報がタグ付けされ一気に管理しやすくなる。
そのうえでTIDAL単体で聞くより高音質になる。もはや使わない手はないのだけれどまた月額の金額がかかってしまうのでなんだか困る
Roonならiosのアプリあるしね
試してみたい人は無料期間もあるし試してみましょう。
総合音楽再生ソフト「Roon」を導入してみよう!設定や音質をレビューの記事で詳しく紹介しています。
TIDALにある日本人アーテイスト
じゃあ全然日本人アーテイストがないのかと言われるとそこそこある。検索機能さえしっかりしてればましなんだけどざっくり紹介します。最近のアーテイストだとこんな感じ
頑張って探せば100人~150人くいそうだけど、「yama」とかだと「yamasaki」という一部でも反応しちゃうので大変。好きなアーティストを根気よく探してみよう
邦楽、洋楽まんべんなくあり、しっかり検索できる点ではAmazon prime musicHDやアップルミュージックのほうが優秀かな
まとめ
ハイレゾストリーミングサービスの中で、高音質かつMQAという高音質データを再生できると聞いて体験してみました。
確かにPCオーディオやサブスクミュージックの高音質を目指すうえでは通るところだと思うのですが、どこまで追求できるのかによって費用対効果は変わる。
「好きなアーティストをいい音で聞きたい!」
「もっとアーティストの事を知りたい!」という人には向いてるでしょう。それではよいオーディオライフを!
- TIDALのアカウント作成方法
- TunnelBearで疑似的に海外のIPアドレスからTIDALにアクセス
- その状態でTIDALのアカウントを作成
- その後はもうTunnelBearいらないのでアカウントを削除し、TIDALへログイン
- プランは個人か、家族・学生を選ぼう
- 音質差はなし、機能もほぼ同じ
- 値段は10.99$で契約国で変わる。30日間の無料期間がある
- 高音質なMQAデータを聴くためには
- TIDAL Mastersという96kHz/24bit等でのストリーミング配信再生にはこれを聴くためにMQAに対応した機器が必要
- 最安値のオススメはZEN DACやNODE
- 洋楽中心で邦楽はたまに聞くという人に向いている
- Roonという再生ソフトと連携するとこで高音質になりUIや検索機能が使いやすくなる
コメント
大変参考になる記事で、この記事に従ってハンガリーでtidal
契約しようとしましたが、クレジットカードははじかれ、PayPalも弾かれてしまいました。。。マレーシアに変えようと熊さんをマレーシアに移しましたが、tidalにアクセスすると、ハンガリー通過のままで変わらず。ハードル高いです。。。
Kuni02さん。コメントありがとうございます。私はだいぶ前に契約して現在2,000円を超えてるので乗り換えようかと思っていたのですが、安いハンガリーではじかれるのは
初耳なので、少し調べてみようと思います。2022年には日本に来るとのうわさで来ず、来年に期待ですね。
安い国をさ迷い、ブラジルでpaypalでいけました!メールがポルトガル語だったので機械翻訳で読みました。
Kuni02 さん マジですかー良かったです!聞くところによるとブラジル方面は100円なのか100$なのか激安の国があるとかないとか・・・以降に失敗すと嫌なのでなかなか踏み出せないです><:
TIDALのiOSアプリ、ありますよ。日本のApp Storeには現れませんが。
自分はiPhone 13 Pro Maxの1TB + TIDALアプリで、TIDALの楽曲をダウンロードしまくって、DAPとして使っています。そこいらのDAPよりもサクサク動くので便利です。
最近は、Roon ARCと合わせて外でも好きな曲を楽しみ放題です。
鳩サブローさん コメントありがとうございます。そうなんですよね、日本のにはないですよね><:iPhone意外と優秀ですよね、DAPは荷物が増えるのと重いので苦手です。roon ARCいいですよね!しか設定のエラーで何回やっても治らず苦戦しています(笑)
TIDALのiOSアプリ、結構前に入れたのであまりよく思えていないのですが、国内からVPNを経由してもう一つ海外用のApple IDを作成して、そのアカウントのApp Storeからアプリをインストールした覚えがあります。
自分も以前はDAPとDACにバランス接続のカスタムIEMを、などと面倒な組み合わせを持ち運んでいましたが、コロナ禍が来たら一気に面倒になって、しばらくiPhoneとワイヤレスイヤホンの組み合わせで済ませていましたが、ここのところはKZ(中華イヤホンブランド)のLightning-MMCXケーブルで、Campfire AudioのイヤホンをiPhoneに直差ししたら、とりあえず満足できる音にはなったので、主にTIDALのダウンロード音源を聴いています。
今後もちょくちょくコメントさせていただくかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。