Amazon musicのハイレゾストリーミングサービスに対応していて、さらにRoonready機器でもある、ネットワークストリーマーとして大注目の「silent angel M1T」
ピュアオーディオのシステムに十分組み込める高音質で気になる人も多いと思います。
でも10万円を超えるからちょっと高いよね・・
流石に10万円を超えると二の足を踏みますよね。そこで満を持してリーズナブルな価格のメモリ4GBバージョンが2022年3月17日に発売されました。
8GBと同じDAC内蔵のM1と、DAC非搭載のM1Tのラインナップで、M1T-4GBは8万円ほどで買いやすくなりました。違いは処理速度のメモリの量だけ。大は小を兼ねるけど価格差4万円はおおきい。
メモリが4GBと半減したので、使い勝手が悪くなったのでは?と使用感が気になりますよね。
そこで実際に使用しレビューしていきますので、購入の参考になればと思います。
また2022年12月時点の注意点として
これに関しては大変残念ですが、問い合わせたところメーカーに側に完実電気は要望は上げているのですが、Amazon側との関係もあるとのことで、即座に解決できていないようです。ただアップデートの準備はしているとのこと。
silent Angelとは?
ネットワークオーディオ機器を専門とするメーカー。自社で高音質で有名なオーディオHUBであるN8などを開発し、他社へOEM供給する高い技術力を持っています。
早くからCD音源を超えるデジタル音源に注目し、HUBのN8の後にRoonサーバーのZ1やミュージックストリートマーのM1などネットワークオーディオにかかわる周辺機器も開発しています。
silent Angel M1T-4GBのできること
silent angel M1Tはいわゆるネットワークトランスポートです。ネットワーク上の音源をデジタルデータのまま正確に、ビットパーフェクトでD/Aコンバーターに送り出します。
オペレーションボードはGigabit Ethernet 1000 Mbps対応、高速インターフェイスを搭載、OSには、Silent Angelが開発した自社のVitOSを採用しています。
操作、設定にはVitOS Orbiterというアプリを使います。
iOS、android両方で使えます。
ローカルネットワーク再生のNASやUSBメモリ、HDDの音源再生はもちろん、TIDAL、Qobuzなどの有名な高音質ストリーミング再生も可能です。
またsilent angel M1T-4GBは「Spotify」、「Amazon music unlimited」など日本で
正式に展開しているハイレゾストリーミングサービスにも対応してるんです。
TIDAL、Qobuzは日本ではまだ正式なサービスはない。日本で契約するには TunnelbearのようなVPNサービスでIPアドレスを変装するしかないです。
TIDALの契約の仕方は話題の高音質ストリーミングサービスのTIDALの評判ってどうなの?気になる契約方法や音質、設定はいかに?の記事で紹介しています。
ネットワークプレイヤーでAmazon musicに対応してる製品は少なく、MarantzやDENON以外にはbluesoundくらいしかありません。
なのでsilent angel M1T-4GBが対応してくれたのはとても嬉しいですね。
結論:Amazon musicもRoonも高音質に使いたいならSilent Angelがおすすめ!そして4GBでも十分
ネットワークミュージックストリーマーとしては申し分ないスペック。
Amazon musicにもRoonreadyにも対応していて、この高音質を10万円以下で体験できるネットワークプレイヤーは他にありません。
もっとも高音質のRoonを使ってたらAmazon music使うのかな?
Roon再生をしている人でRoonコアをパソコンにしてると、高音質でもパソコンを立ち上げるのがめんどくさい時ありますよね。
そんな時にAmazon musicに対応してるとすぐにサッと音楽を楽しめて楽なんです。
これこそが両方に対応している利点。それにRoonをずっと使い続けるにはお金も結構かかりますしね。
それにRoonは邦楽に弱い所があるので、そこをカバーできるAmazon musicは邦楽好きには必須だと思います。微妙にラインナップが違うんだ
AmazonMusicの記事はこちらからどうぞ
Amazon musicでハイレゾストリーミングサービスを最も高音質再生できるのが「Silent Angel」
bluesoundのNODEもいいけど音質を考えたらこちらが上かと。NODEはWi-Fiが使えたりARC対応のHDMI入力があったりと使い勝手はいいですね。
また、もっと高いMarantzのネットワークアンプでも再生可能なファイルは、最大24it-192kHz、DSD5.6Mhzぐらいなので、DSD256(11.2MHz), LPCM 768kHzまで再生可能なsilent Angelは高音質データを持っている方には最良の選択肢だと思います。
サイズはかなり小型で、既存の自身のシステムやPCオーディオにも組み込み安いのも特徴。どこにでも置ける強みがあります。
また、Amazon musicやTIDALなどロスレス・ストリーミング再生を中心にネットワークオーディオを始める場合はハブもかなり重要になってきます。別記事で紹介していますのでご覧ください。
デメリット
もちろん良い所だけじゃなくデメリットなところもあります。
- 有線LANのみでWi-Fiは未対応
VitOSのアプリによる再生が遅い、日本語表記が多少変- 再生の遅さは最新板ファームウェアアップデートで改善
- USB出力とその他デジタル出力は同時に使えない
有線LANのみでWi-Fiは未対応
Wi-Fi未対応なので設置の自由度が落ちます。
しかしWi-Fiより有線LAN接続の方がネットワークプレイヤーの音質はかなり向上しますので、これは仕方がありません。
有線接続がどうしても難しくWi-Fiが必要な場合は、B1というWi-Fi機能搭載版も出ましたのでそちらを検討してはどうでしょうか?
roonready対応機器ではなく、DSDにも未対応ですが必要なければこちらもオススメ。少し安いです。
VitOSのアプリによる再生が遅かったがアップデートで改善、日本語表記が多少変
またVitOSのアプリによる再生は正直遅かったので、購入を見送った人も多かったのですが、最新板のファームウェアアップデートで劇的に改善しました。再生押してからのタイムラグは意図的に残しています。
どのくらいの改善かというとほぼ待ち時間はなくなりました。
再生押してからのタイムラグは大体3秒くらい。おそらく曲の頭の音飛び防止かと思います。4GBと8GBの処理速度の違いがアップデートでかなり少なくなった。
他社のbluesoundのNODEなどのblueOSは曲の頭が飛んだりしていたんですが、VitOSはこの3秒程度の間のお陰か頭飛びは起きません。
個人的にはこれくらいは待てばいいので、他のメリットを打ち消すほどのデメリットには感じませんが人によってはストレスかもです。
USB出力とその他デジタル出力は同時に使えない
USB出力と同軸デジタルなどのデジタル出力は同時には使えません。なのでVitOSアプリからデバイス設定で切り替える必要があります。
結構この切替が手間で、ストリーミング再生から手持ちのNASやHDDのDSD256の音源を聴こうとして音が出ないなんてこともあった。常にUSB出力しておけば問題ないですが。
それでは外観やスペック含めて紹介していきます。
Silent Angel M1t-4GBの外観やスペック
外観
外観はかなりシンプルで、表面には電源やミュート、信号種類を知らせる小さな表示ランプが4つあるだけで、サイズは小さいですが1.6kgとズッシリ感はあります。
オペレーション・ボードの温度上昇を防ぐ、アルミ削り出しヒートシンクが搭載されています。
ずっと使用してても、ほんのりあったかいくらいです
サイズはipadAirの約半分くらいの設置面積ですので、PCオーディオにも最適です。小さい為、片手で簡単に持てます。
背面には所狭しと入出力端子が並んでいます。サイズが小さい為ちょっと窮屈さはありますね。
USB出力はオレンジ色のポートを使います。他はHDDやUSBメモリ、ストレージをつなぎます。
ネットワーク接続は有線のみでWiFiには対応していません。
デジタル出力はAES/EBU出力やI2S出力などは、業務用だったりハイエンド機器にも使われる特殊な物もあります。
一般的な用途ではUSBやCOAXIAL接続が主なので、あまり普通は使わないでしょう。USBが一番再生可能フォーマットが広いので。光出力はありません。
USB端子同士が近いので、USBメモリを挿してUSB出力をするとちょっと端子を痛めそうなので、ずらして接続しましょう。
スペック
スペックを紹介していきます。DAC搭載の
M1-4GBと見比べていきましょう。基本的なスペックは同じです。
M1T-4GB | M1 | |
---|---|---|
メモリ | 4GB | 4GB |
寸法 | 155mm x 110mm x 50.4mm | 155mm x 110mm x 50.4mm |
重量 | 1.63 kg | 1.63 kg |
入力端子 | USB3.0×2/USB2.0×1(外部ストレージ接続用) RJ-45(1000base-T) | USB3.0×2/USB2.0×1(外部ストレージ接続用) RJ-45(1000base-T) |
デジタル出力端子 | AES/EBU, I2S Coaxial(PCM 384KHz,DSD128) USB(PCM 768KHz,DSD256) | AES/EBU, I2S Coaxial(PCM 384KHz,DSD128) USB(PCM 768KHz,DSD256) |
アナログ出力 | × | RCA(PCM 384KHz,DSD128まで) |
ヘッドホン出力 | × | 6.3mm(PCM 384KHz,DSD128まで) |
電源コネクター | 5V/2A | 5V/2A |
付属品 | ACアダプター、電源ケーブル、LANケーブル | ACアダプター、電源ケーブル、LANケーブル |
値段 | ¥85,000ほど | ¥150,000ほど |
DAC搭載しか違いがないので、DACを持ってる人、別で揃えたい人はM1Tをおススメします。値段がほぼ倍になりますので。
DAC内蔵は後でDACを変えたいときに、どうしようもなくなるので個人的にはトランスポートがおススメです。
DACはESS社のSABRE9018Q2Mを使用していて、M1用に、デジタル回路、アナログ回路上の電圧も同等となるよう調整するなど、ノイズ対策を含め最適化がされています。
電源はACアダプターの5V/2Aなので、要件を満たしていれば他社電源でも問題なく使えそうです。高品質化の為に交換するのもありですね。
Silent Angel M1T-4GBとbluesound NODEとの違い、どっちがおすすめ?
よく比較されるのが、同じような価格帯の「bluesound NODE」
値段も8万円くらいだし何が違うの?
スペックを見てみましょう。スペックからもわかるようにM1Tは音質に特化したスペック。不要な機能は省かれています。
M1T-4GB | NODE | |
---|---|---|
DACの有無 | × | 最大32ビット 384kHz MQAフルデコード対応 |
OS | VitOS | BluOS |
WiFi | × 有線のみ | Wi-Fi 5(802.11ac、2.4 / 5GHz) |
対応フォーマット | 最大 PCM 768KHz,DSD256 | 最大 PCM 384kHz |
Bluetooth | × | Bluetooth 5.0 aptX HD |
寸法 | 155mm x 110mm x 50.4mm | 220mm x 46mm x 146 mm |
重量 | 1.63 kg | 1.09 kg |
入力端子 | USB3.0×2/USB2.0×1(外部ストレージ接続用) RJ-45(1000base-T) | 外付けドライブ接続用のタイプAポート TOSLINK / 3.5mmステレオコンボミニジャック HDMIeARC |
デジタル出力端子 | AES/EBU, I2S Coaxial(PCM 384KHz,DSD128) USB(PCM 768KHz,DSD256) | 同軸デジタル TOSLINKデジタル光 USBオーディオ2.0(入力兼用) |
アナログ出力 | × | アナログステレオRCA(固定または可変) |
ヘッドホン出力 | × | 〇 |
電源コネクター | 5V/2A | 100V |
値段 | ¥85,000ほど | ¥85,000ほど |
やはり最大の違いはDACの有無と対応フォーマットの違いで、M1-4GBは「DSD」が再生できることと、「PCM768khz」まで対応してること。
DSD音源が再生できないのは困る人もいそう
NODEはDACのがあるのでコスパ的にはいいのですが、実際に試聴しても音質的にはM1T-4GBにはかないません。
NODEはARC対応だったり、サブウーファー出力があったりとどちらかというとAV寄りで、リビングでの使い勝手を重視しています。
要するにNODEとM1Tは想定しているニーズが違うということ。
あくまでローカル再生やamazonmusicなどのストリーミング再生を高音質に、いわゆる音質重視な「M1T-4B」とテレビとの連携やWiFiによる設置性、DAC内蔵などリビングユースでの使い勝手重視な「NODE」という感じです。
NODEを選ぶ人はDSDやPCM 768KHzのような高音質フォーマットを持ってない、そもそも聞かない、興味ないというカジュアルな層だと思います。
それに販売しているDSD256やハイサンプリングの曲は少なすぎるし、クラシックやJAZZとジャンル偏りすぎですしね。そこまで求めないのもわかる気がします。
ただ、同じフォーマットでも違いはあるので、「音質重視でDACいらないならM1T」、「使い勝手重視でDACいるなら」NODEを選びましょう。
VitOSの使用感
設定の注意点
silent angelの独自OSであるVitOSは「VitOS Orbter」のアプリをダウンロードし操作することになります。iosとandroid両方にありますので問題はないです。
M1T-4G本体に電源を入れネットワークに接続しアプリを立ち上げます。このように表示されますのでコントロールを押して設定します。
この時に真ん中にVitOSのバージョンが表示されます。最新の1.0.3824でなければ最初に必ずアップデートしましょう。
ちゃんとアップデートしてればこのように一番上に出てきます。
USB出力のサンプリングレートは初期値は最大になっていませんので、PCM768kHz、DSD256までにあげておきましょう。
この動作は何となくめんどくさい
もちろんRoonready対応機なのでこのようにきちんと認識されています。
Amazon music本家とのUIの違い
どちらがいいということもないですが、VitOSはシンプルで本家は鮮やかな見た目だと思います。
本家のプレイリストはVitOS Orbterに反映されるの?
反映されています。お気に入りってとろに入っています。
またTIDALのUIは下記のようになっています。TIDALは再生アプリがblueOSかVitOSくらいしかないのでアプリで再生できるだけいいと思います。
ただ、MQAファイルなどは探しずらい、というか見つけられない(笑)タイダルマスターにありそうだけど…
最大のデメリットがアップデートでなくなる
正直、音質やコスパ、設置性など良い所ばかりの「silent angel M1T-4GB」ですが、最大のデメリットはVitOS Orbiterの起動の遅さだったんです。
最新版ファームウェアにアップデートで、アプリの挙動の遅さが劇的に改善しました。8GBと4GBで悩んでた人はぜんぜん4GBで問題なくなりました。
ただ、起動して再生ボタンを押すと、音が出るまでのタイムラグがきっちり3秒ほどあるのは音飛び防止の為にわざとしてるように思えます。
ちなみに以前のAmazon Musicの立ち上げはこんな感じです。8秒くらいかかってます。
ちなみにTIDALも同じぐらい時間かかるので、TIDALを聴くならroonで聞いた方が格段に良いです。
最新のファームウェアアップデート後の再生速度。ぜんぜん違います。
まとめ
長くなったので簡単にまとめます。
とにかく10万円以下で、AmazonmusicもRoon再生も高音質なのはこれ一択と言っていいほど
起動が遅いのはおそらく仕様もあると思います。8GBタイプでも遅いと口コミがあってますので。ただ8GBの方が少しは早いかもしれません。ただ値段差が3万円ほどあるので何とも悩ましい
ただ、デメリットが許容できる人にはかなりおススメです。というか10万円以下ではこの高音質でAmazon Musicを聴けるのは貴重です。これからの購入の参考にして下さい。
他のAmazon music対応のおすすめネットワークプレイヤーは、Amazon music対応!高音質なネットワークプレイヤーおすすめ6選!で紹介しています。そちらもご覧ください。
それでよいオーディオライフを!
コメント
いつも解説ありがとうございます。1点だけ質問させてください。NASからの再生で、現在QNAP HS-210でMinimserverとBubbleUPnP Serverを使ってOlasonic NP1をメディアレンダラーにしてギャップレス再生を可能にしています。
Silent Angel M1T-4GBはNP1と同じくギャップレス再生可能でしょうか?
可能であればリプレースを検討したいと思います。
貸出機があれば自分で検証できるのですが・・・
いつもご覧いただきありがとうございます。現在NASがないので同一環境とはなりませんが、操作をするvitos orbiter アプリの設定には
ギャップレス再生を設定するところが見当たらないので、現状出来ないと思われます。また検証をしてみて情報が手に入れば内容更新したいと思います。
イワサキさんいつもご覧いただきありがとうございます。完実電気に確認を取ったところ、ギャップレス再生はサポートしているとのことです。
確認ありがとうございました。某ショップで聞いたところ、現在はギャップレス再生不可なストリーマはほぼないとのことでした。
少し前の記事ながらスマホのオススメに出てきましたので気になって投稿します。
Silent Angel ストリーマーですが、2022年12月現在も、Amazon Musicの再生がmax96kHzです。
製品によってはmax48kHz。
メーカー発表の仕様に沿って本記事を書かれていると思いますが、仕様自体が間違っていてダウン音質なのが実際のようです。
完実も個別質問で認めています(なぜかHPには記載なし)
事実誤認になってしまっていますので、追記対応なさるのがよろしいかと。
おーつかさん コメントありがとうございます。私もそのような状況になっていまして、公式に問い合わせてはいましたが、公式HPに記載されてないので書くものか悩んでいましたが確かに追記するべきですね、ありがとうございます。
特にB1が48kHzなのはびっくりです、すこし買いそうだったので。AmazonMusicに対応しているメーカーは少ないので何とか仕様を改善してほしいものですね